法人破産手続きーその3「在庫商品の扱い」ー

弁護士の若林です

 

第3回のテーマは、「在庫商品の扱い」です。

 

法人代表者の方は、経営が苦しくても、家族や従業員そして取引先との関係を守るためギリギリの状態まで取引を継続します。

そのため、やむなく破産を決めた時、お店に在庫商品がたくさん残っていることがよくあります。

商品が納品された時期が破産の申し立て時期と近接している場合や商品自体の価値が高い場合、売主である取引先から商品の返還を求められることがあります。

 

「納品された商品の代金を支払っていないのだから売主に返品するのが当然だ。」

そんな風に考える方が多いのではないでしょうか。

 

確かに、民法上、商品代金が未払いの場合に売主が代金や利息を他の取引先に優先して確保するために売った商品を回収することが認められています。

これを動産売買先取特権といいます(民法311条5号)。

ですが、動産先取特権があるからといって売主が直ちに商品を持って帰ってよいわけではありません。売主が動産先取特権を行使するためには競売手続きを取る必要があります。

そのため、買主としては、売主が競売手続きを取るまでは商品を引き渡すことはできませんし、競売の前に破産管財人が選任されていれば、商品の扱いについては管財人に委ねることになります。

 

もっとも、法人の取引では一見すると単純な売買契約に見えるけれど実は所有権留保がついている契約だったり委託販売契約だったりと様々な契約形態が混在しています。

契約形態によって破産法上の扱いも変わるため、安易に返却に応じてしまい後で問題になる場合もあります。

 

破産手続きの際の混乱を避けるためにも、早めのご相談をお勧めいたします。

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